「GARAGE ガラージュ(アドベンチャー)」の紹介
ここはどこかの治療施設。
「ガラージュ」の説明書より
あなたはガラージュと呼ばれる治療機械にかけられ治療する。
何を治すのか。
なぜ治療されなければならないのか。
いっさいのことは判らないままだ。
ガラージュが始動する。
強い眩暈があなたを襲い、あなたは不思議な世界に投げ込まれる。
そこであなたが発見するのは奇妙な機械の体を持ったあなた自身だ。
そしてシェンという署名のある手紙を見つける。
「この世界から脱出しなさい。この世界は正しい世界ではない」
手紙にはそう書かれていた。
概要
1999年にキノトロープが開発し、東芝EMIより販売されたPC用ゲームソフト。製作監督者は作場知生氏。
『クーロンズゲート』と『BAROQUE』と合わせて「三大歪みゲー」「三大奇ゲー」などと呼ばれている。
当時のタイトルは『ガラージュ|Garage:Bad Dream Adventure』で、衝撃の世界観、ビジュアルであった。
クラウドファンディングで資金が集まり、リマスター完全版として2021年にモバイル版、2022年にSteam版が発売された。
初版のキノトロープ版もやりこみ要素は盛りだくさんだったが、エンディングの分岐はなかった。リマスター版はマルチエンディングになっている。
……というわけで、すっげぇ好きなゲームなので「久しぶりにまたやろうかな」と思ってちょっと調べたら、リマスター版が出てました!
モバイル版が800円、Steam版が2,400円。モバイル版は値上がりしちゃいましたね。
スマホは画面が小さいので、Steam版を買いました。でも Debian なのでそのままだと動かん(泣)
仮想環境で Win を構築して解決。KVM で Win を動かすのはそのうち書く。
元がスマホ用なので、Steam版は操作がちょっと微妙という説もあるけど余裕で許容範囲。
Win98 や WinXP の Flash & Drectx9 で遊んでた廃ゲーマー舐めんな!
モバイル版は表現規制があるらしいのだが、Steam版は取っ払われているとのこと。セーブスロットも2個から5個に増えているらしい。
世界が深くて濃いので、Steam版がオススメです。
世界
「ガラージュ」とは、精神治療装置とそれによって形作られる深層心理世界。
世界を旅し、理解し、あなた自身を旅し、理解し。
世界に留まるか。
現実に還るか――
スチームパンクっぽいビジュアル。
薄暗い視界、ボロっちい建物、レールでしか移動できない自分自身。
主人公含め、登場人物はほぼ生体機械。釣りの餌、釣果は水棲機械。基本的に機械。
“カゲ”というモノも登場しますが、半生体という感じ。培養中のナニかみたいな? 実体がないらしい。
新しい画面はしっとり湿った雰囲気がより強くなって、何とも言えません。素敵。
クラウドファンディングのページに比較画像があるので、お借りしています。
「白瓦斯と「順応度」をやりくりしながら、あちこちウロウロして情報やキーアイテムを集めていく感じです。
レールが敷かれていて、その上しか移動できません。慣れるまではちょっと混乱しますが、覚えてしまうと簡単です。施設やお店はそれほど多くありません。
白瓦斯や順応度、身体改造、アイテムなどは、お金ではなく、釣果を「スタンプ」に交換して購入します。マメに釣りをしてスタンプを集めないとサクッと詰みます。
釣りにハマると、ストーリー進めるのとどっちがメインなんだって事になったりも。
釣りはもちろんの事、エンディング分岐、サブクエストなどでやり込み要素が大幅増加で、とってもやりがいがあります。
オリジナル版との違い
完全版はなんと言ってもユーザーフレンドリー!
オリジナル版だと、マップはパッケージに入ってる紙の物をコピーして書き込んでましたから(笑)
ヘルプもゲーム内にはなくて、説明書と首っ引きでした。完全版、何という親切設計なのだ。
達成度みたいなものもメモ取って自分で管理してましたからねぇ。ごく少数の攻略サイトで調べたり、当時の公式サイトの掲示板で情報交換したり。
マウス操作で遊んでるのに、ゲーム終了はキーボード操作だったのが時代を感じる……
水棲機械も変わりましたね。完全版はかなり増えてます。餌になる蟹の色違いとか無かったです。
最大の違いは、完全版でマルチエンディングになったことではないでしょうか。
オリジナル版はエンディングがひとつだったので、物凄く違います。
グラフィックもかなり違います。全てリファインされてますねぇ。雌機械のお顔とか、微妙に変わってて面白い。作場監督曰く、完全版が本来の姿とのこと。
ストーリーやサブクエストも追加されてて、グラフィックもテキストも膨大な作業量だと思います。
すげぇよ……
あと、システムが全く違いますね。オリジナル版は Flashゲーム のハズ。SWFファイルなので。
Steam版は Unity で制作されてるようです。モバイル版は何だろう?
作業量は膨大だけど、ゲームシステムとしては昔よりも作りやすいんだろうな……時代が……
つか、Android版があるなら Steam for Linux も出来ないんだろうか。Linuxベースなのに……切なす……
そしてオリジナル版にあって完全版に無いものもあります。
キノトロープさんのガラージュ公式サイトに釣りゲームがありました。釣果を水棲機械の種類とかサイズとかでランキングを競ってました。
「ガラージュ買えなかった!! 売り切れ〜(泣)」と、ひたすらランキングに没入してる方とかね(笑)
あと、ガラージュフォントの配布もありました。あの独特の文字が無料配布。壁紙も配布されてたので、デスクトップがエライ事になってました(笑)
作場知生氏のネタ
作場知生氏の公式サイト等。
公式HP
Twitter
『ガラージュ:完全版 for Mobile』制作プロジェクト(当サイトで画像を使用させていただいております)
「作場金属製作所 Sakuba Metal Works」という名称で活動されていて、リアルで工房もお持ちです。
工房も自転車もめっちゃ格好良い。
Twitterにデザイン画がたくさんアップされてます。
ガラージュの設定画集、出してくれないかなぁ。クラウドファンディングやってるの知ってたら、迷わず支援したんですが。出遅れた……
ガラージュSteam版
— 作場知生 Sakuba Tomomi ガラージュSteam版:配信開始! (@sakuba) July 5, 2022
7/8発売まであと2日!!https://t.co/WUCJHkRcMr
主人公。すべてはこのデザインから始まった。 pic.twitter.com/hAH9r70FJx
ここからは、自慢話(笑)
むかぁしむかしはのぅ、ネットやっとるヒトが少なくてのぅ。
原作者さんやらクリエイターさんやら、ごっつぅ気軽にあちこち出没しとったんじゃ。
儂はヤヲイサイトやっとったんじゃが、健全な青少年漫画家さんと相互リンクしとったくらいでの。
そんな、昔話じゃよ。
オリジナル版には公式サイトにBBSもありました。古き良き時代。
作場氏も頻繁に書き込みをしてらして、裏設定的なお話しとかしてました。色んなネタで結構盛り上がってました。初版、約3,000本だったのに。
舞台になっている「ガラージュ装置の世界」は一体どういう深層心理から? とか。
「女性、特に母親に関するトラウマがあるのではないか」といった内容を書き込みましたら、作場氏に「そうですね」と頂いた記憶があります。
「川で溺れたことがあるなど、水場のトラウマもあるのではないか」にも、「そうですね、それもあります」と頂いたような。
ついでに「祖母、もしくはそれに類する老女だけはトラウマの対象じゃないのかも?」にも「そんな感じです」と頂いたハズ。
どんな人間がガラージュ装置を使用した結果の世界なのか、といったネタ、地味に盛り上がってましたなぁ。
深層心理世界でトラウマを克服して癒やす治療装置、ということで。
「病みゲーではない」という意見もあるようですが、ガラージュ世界を構築してる人間が病んでるので「病みゲー」でもあるのかもしれない。
世界が奥深い……
私家版を販売されていた頃、とあるCGI配布サイトでBBSのスキン着せ替えというのが配布されていて、これを更新履歴用にしたり日記用にしたりといったスキンを作って配布してたんですが。
作場氏、日記用スキンを使用してくださいました……! れたっぴょ、大感激……!!
カスタマイズしまくりで見た目は全くと言っていいほど違ったんですが、クレジットを残してくださって。嬉しかったです。